円高で株価はどうなる?2026年への影響と投資のポイント

荒波の中で方位磁針が指し示す2026年に向けた投資戦略の羅針盤をイメージしたアイキャッチ画像。 経済・財政

最近のニュースで円高や円安という言葉を聞かない日はありません。特に投資をされている方や、これから始めようと考えている方にとって、「円高で株価はどうなるのか」という疑問は非常に切実な問題ですよね。

円高が進むと株価が下がるというイメージを持つ方も多いですが、実はメリットを受ける業界もあります。また、円安や金利の上昇がなぜ起きているのか、その背景を理解することで、今後の米ドルや円の予想を立てやすくなります。

この記事では、2025年に起きた歴史的な市場変動を振り返りながら、私たちの生活に身近なインバウンド需要や燃油サーチャージへの影響についても触れていきます。

さらに、米国株投資で欠かせない「為替ヘッジ」の考え方など、資産を守り育てるための知識を整理しました。難しい経済用語も、私と一緒に一つずつ紐解いていきましょう。

SUMMARY■ 本記事の要旨
  • Point為替の変動が日本の株価に影響を与える基本的なメカニズム
  • Point2025年のトランプショックから学ぶ円高株安の連鎖反応
  • Point円高・円安それぞれの局面でメリット・デメリットを受ける業種
  • Point2026年に向けた日米の金利差と株価の将来予測への備え
RECOMMENDED■ こんな方におすすめ
  • 円高局面での日本株への影響を正しく理解したい方
  • 米国株投資で為替リスクの対処法に悩んでいる方
  • 日米金利差と今後の為替・株価予測を知りたい投資家

円高で株価はどうなる?変動の仕組みと2025年の回顧

まずは、為替と株価の基本的な関係性を整理し、激動の2025年に何が起きたのかを振り返ります。仕組みを知ることで、ニュースの見え方が大きく変わってきます。

為替が変動する仕組みと円高株安の基礎知識

円高が重石となり、株安が跳ね上がるシーソーのイラスト。輸出企業の利益減や価格競争力の低下が市場全体を冷え込ませる仕組みの解説。

為替レート*1は、簡単に言うと「通貨の交換比率」です。円高とは、他国の通貨に対して日本円の価値が上がることを指し、例えば1ドル150円から140円になる状態をいいます。逆に150円から160円になるのが円安です。

日本の株式市場において、一般的に「円高は株安」を招くとされています。これには主に2つの理由があります。

💡 POINT

円高が株安を招く主な理由

  • 輸出企業*2の海外での売り上げが、円に換算したときに目減りする
  • 海外市場での価格競争力が落ち、製品が売れにくくなる

日本は伝統的にトヨタ自動車のような輸出企業が経済を牽引してきたため、円高になると市場全体に冷や水が浴びせられる形になるのです。ただし、これはあくまで「一般的な傾向」であり、全ての企業が当てはまるわけではありません。最近では、後述するように海外生産を進める企業も増えており、その影響の出方は以前よりも複雑になっています。

■ 脚注解説:より深い理解のために
*1 為替レート:異なる通貨を交換する際の比率。輸出入価格や企業の海外収益に直結し、株式市場における企業価値判断の極めて重要な指標となる。
*2 輸出企業:製品を海外へ販売する企業。円安により外貨建て価格競争力が増し、円換算後の収益が拡大するため、株価上昇の主導役を担う。

過去の円高局面とトランプショックの歴史的背景

米国の高関税方針から円買い、日経平均急落に至る「負の連鎖」を時系列で示した2025年トランプ・ショックの図解。

歴史を振り返ると、急激な円高が株価に大打撃を与えた事例は数多くあります。最近で最も記憶に新しいのが、2025年4月に発生した「トランプ・ショック」ではないでしょうか。米国のトランプ政権が日本を含む同盟国への高い関税*3方針を打ち出したことで、市場はパニックに陥りました。

この時、為替市場ではリスクを避けようとする投資家が円を買い、わずかな時間で1ドル150円台から147円台へと急激な円高が進みました。これに連動して日経平均株価*4も急落し、一時3万5,000円を割り込むなど、まさに「円高と株安の負の連鎖」を目の当たりにした瞬間でした。こうした歴史的な出来事は、投資家にとって「不確実性」がいかに大きなリスクであるかを教えてくれます。

■ 脚注解説:より深い理解のために
*3 関税:輸入品に対して課される税金。保護貿易の手段として用いられるが、輸出企業のコスト増や国際的なサプライチェーンの混乱を招く。
*4 日経平均株価:東証プライム市場の代表的な225銘柄から算出される株価指標。日本経済の景気動向や投資家心理を映し出す鏡として広く活用される。

輸出企業の業績悪化や株価下落のデメリットとなる理由

円高が輸出企業にとって「デメリット」となる理由は、会計*5上の数字にダイレクトに現れるからです。例えば、1ドル150円のときに100万ドル売り上げた企業の円建て売り上げは1億5,000万円ですが、1ドル140円の円高になると1億4,000万円に減ってしまいます。製品そのものは同じ数だけ売れていても、円に直した瞬間に1,000万円もの損失(為替差損*6)が出る計算です。

⚠️ CAUTION

円高による主なデメリット

  • 自動車・電機などの輸出企業の利益が圧縮される
  • 海外での現地価格を上げざるを得ず、競合他社にシェアを奪われる
  • 企業の業績予想が下方修正され、投資家が株を売る要因になる

特に製造業が多い日本株全体にとっては、こうした企業業績の悪化が株価指数の押し下げ要因となってしまいます。

■ 脚注解説:より深い理解のために
*5 会計:企業の経済活動を記録し報告する制度。為替変動による収益の変化を決算書に反映させ、投資家が客観的に業績を評価する基盤となる。
*6 為替差損:為替レートの変動により、外貨建て資産を円換算した際に生じる損失。実質的な収益力を低下させ、株価下落の直接的な要因となる。

輸入コスト低下がもたらすメリットと企業の業績改善

電力、ガス、食品、小売(ニトリ等)など、原材料を海外から輸入する企業が円高によってコストを抑え、利益を改善させる仕組みの対比図。

一方で、円高は決して悪いことばかりではありません。「円高のメリット」を最大限に享受するのは、原材料を海外から輸入している企業です。エネルギー、食品、原材料などを安く仕入れられるため、コストが下がり利益が増える「円高メリット銘柄」が存在します。

業種 主なメリット
電力・ガス 燃料(LNG*7・石炭など)の輸入コストが下がり、収益が改善する
食品・小売 小麦や大豆などの原材料価格が下がり、商品の値下げ余地が生まれる
ニトリなどの輸入小売 海外製品の仕入れ値が下がり、利益率が大幅に向上する

このように、円高局面では「内需株*8と呼ばれる日本国内の消費をターゲットにしている企業に光が当たります。自分の持っている株が「円高に強いのか、弱いのか」を見極めることが非常に重要です。

■ 脚注解説:より深い理解のために
*7 LNG:液化天然ガス。発電燃料として不可欠であり、円高による輸入コストの低下は、エネルギー企業の採算改善や公共料金の安定化に寄与する。
*8 内需株:国内市場を主な収益源とする企業の株式。輸入コスト低減が利益増に繋がりやすく、円高局面において輸出株に代わる投資対象となる。

インバウンド需要や海外旅行への影響と今後の動向

円安時の高額な航空券と、円高時の安価な航空券を比較し、燃油サーチャージ低下も含めた旅行者へのメリットを表現したイラスト。

私たちの生活実感に直結するのが、旅行やレジャーです。円安の時期は「日本は安くて魅力的な国」としてインバウンド*9が激増し、百貨店やホテルは活況を呈しました。しかし、裏を返せば、私たち日本人が海外旅行に行く際には、現地の物価と円安のダブルパンチで、食費や宿泊費がとんでもない金額になってしまいました。

円高に振れると、海外旅行のハードルはグッと下がります。さらに、航空運賃に上乗せされる燃油サーチャージ*10についても、原油価格に加えて為替の影響を受けるため、円高はコスト低下の追い風になります。2025年末時点では高止まりしていますが、もし円高トレンドが定着すれば、再び手軽に海外へ飛び立てる日が来るかもしれません。

■ 脚注解説:より深い理解のために
*9 インバウンド:訪日外国人による国内での消費活動。観光業や小売業の収益を支える柱であり、円安局面での経済波及効果が極めて大きい産業分野。
*10 燃油サーチャージ:燃油価格の変動分を運賃に上乗せする付加運賃。為替と原油相場の影響を強く受け、航空各社の業績や海外旅行需要を左右する。

円安や金利の上昇がなぜ起きたのか?過去の市場分析

低金利の日本から高金利の米国へ資金が流れ、円売りドル買いが加速するメカニズムを解説した図。日米の金利差が円安の正体であることを示す。

そもそも「円安や金利*11の上昇がなぜ」これほどまでに続いたのかを考えてみましょう。最大の理由は、米国と日本の金利の差です。お金は「金利の低いところから、高いところへ」流れる性質があります。

💡 MEMO

米国の金利が高く、日本の金利が極端に低い状態が続いたため、投資家は円を売ってドルを買う「円売りドル買い」を進めました。これが近年の歴史的な円安の正体です。

2025年はこの金利差がようやく縮小し始めるかという期待と、トランプ政権の政策への不安が入り混じった、非常に予測の難しい時期でした。

■ 脚注解説:より深い理解のために
*11 金利:資金の貸借に対する対価。日米の金利差は通貨の魅力を左右し、為替レートを変動させる最も基本的かつ強力なマクロ経済的要因となる。

投資のリターンを左右する為替ヘッジの仕組みと判断

盾のアイコンで守られた為替ヘッジのイメージ。円安なら利益増の「なし」、円高リスクを回避するがコストがかかる「あり」の比較解説。

最近、NISA*12などで米国株(S&P500*13など)に投資する人が増えていますが、ここで重要になるのが「為替ヘッジ*14という仕組みです。これは、将来の為替変動リスクをあらかじめ保険のようにカバーしておく方法です。

  • 為替ヘッジなし:円安になればプラスアルファの利益が出るが、円高になると資産価値が目減りする
  • 為替ヘッジあり:為替の影響をほとんど受けない代わりに、日米の金利差に応じた「ヘッジコスト」がかかる

「円高で株価はどうなる?」と不安な場合、ヘッジありを選ぶという選択肢もありますが、金利差が大きい時期はコストでリターンが削られてしまいます。投資信託を選ぶ際は、この「ヘッジの有無」をしっかり確認しましょう。

■ 脚注解説:より深い理解のために
*12 NISA:少額投資非課税制度。一定額までの投資から得られる配当や譲渡益が非課税となる、個人の長期的な資産形成を支援する国の税制優遇措置。
*13 S&P500:米国市場の主要500銘柄で構成される株価指数。時価総額加重平均で算出され、世界経済の動向を最も反映する指標として重視される。
*14 為替ヘッジ:先物取引等を利用して為替変動リスクを回避する手法。不確実性を排除できる一方、二国間の金利差に応じたコストが発生する。

2026年に円高で株価はどうなるか今後の展開を予測

2025年の荒波を乗り越え、2026年の市場はどの方向へ向かうのでしょうか。最新の経済情勢を踏まえ、私なりの視点で今後の予測と備えについてお話しします。

日米の金利差縮小と為替介入が市場に与える影響

「2026」の道路標識。米国の利下げ、日本の利上げが重なることで円高トレンドへ転換する可能性と、インフレ経済への移行についての予測。

2026年の大きな注目点は、日米の金利差がどこまで縮まるかです。もし米国が景気減速を避けるために利下げを行い、一方で日本銀行*15が少しずつ金利を上げていけば、円安トレンドは反転し、円高へと向かう可能性が高まります。

ただし、政府による為替介入*16には注意が必要です。1ドル160円を超えるような過度な円安が進んだ場合、財務省*17や日銀は強引に円を買い戻す介入を行うことがあります。正確な情報は必ず各公式サイト等で確認してください。

■ 脚注解説:より深い理解のために
*15 日本銀行:日本の中央銀行。通貨価値の安定と金融システムの維持を目的とし、金利操作や資産買い入れを通じて景気や物価のコントロールを行う。
*16 為替介入:通貨当局が市場で売買を行い為替を調整する行為。急激な変動を抑制し市場の安定を図るための、政府による実力行使の手段である。
*17 財務省:国の財政や通貨制度を管理する行政機関。為替介入の決定権を有し、経済の健全な発展に向けて金融市場の動向を厳格に監視している。

米国株投資で注意すべき円高による資産評価の変動

米国株を保有している方にとって、円高は資産の評価額が下がる要因になります。たとえアップルやエヌビディアの株価が変わらなくても、1ドル150円が140円になれば、日本円で見た時のあなたの資産は約7%も減ってしまいます。これを「為替差損*18と呼びます。

しかし、慌てる必要はありません。歴史的に見れば、米国株の成長率は為替の変動を上回ることが多いからです。円高で資産が減って見える時期こそ、安く買い増しができるチャンスと捉える投資家もいます。自分が信じた企業の成長を信じることが、長期投資の成功の秘訣かもしれません。

■ 脚注解説:より深い理解のために
*18 為替差損:外貨建て資産の価値が円高により減少すること。決算上の純利益を直接的に押し下げるため、グローバル企業の株価評価に悪影響を与える。

NISAでの資産運用を成功させる為替リスクの管理法

ドル・コスト平均法のイメージ。円高局面では安く、たくさん買えるメリットがあることを示し、タイミングを計らず淡々と続けることが成功の鍵であることを図解。

新NISAで長期積み立てをしている場合、円高は必ずしも敵ではありません。毎月一定額を積み立てる「ドル・コスト平均法*19」を利用していれば、円高の時期には海外資産を安くたくさん買うことができます。

💡 POINT

積み立て投資における考え方

  • 円高局面:安く仕込める「ボーナスタイム」と考える
  • 円安局面:資産が増えていることを楽しむ

このように、為替リスクを「管理」するのではなく、「仕組みとして受け入れる」のが初心者の方には最もストレスの少ない方法です。無理にタイミングを計って売買せず、淡々と続けることが重要です。

■ 脚注解説:より深い理解のために
*19 ドル・コスト平均法:定額で定期的に投資商品を買い続ける手法。価格が高い時は少なく、低い時は多く買うことで、平均取得単価を平準化できる。

日銀の利上げ方針と日経平均株価の下値目処の算出

日銀が利上げを進めると、銀行株などは利益が増えるため株価が上がりやすくなります。一方で、不動産株などは利払いの負担が増えるため、株価にはマイナスとなります。日経平均株価全体で見た場合、利上げは短期的には調整局面を招くかもしれませんが、日本が「インフレ*20」のある普通の経済に戻るための必要なステップでもあります。

テクニカル*21な視点では、多くの投資家が移動平均線などの指標を参考に、株価がどこまで下がるかを計算しています。企業が稼ぐ力そのものは強化されており、過度な悲観は不要という見方もあります。急落時には冷静に判断しましょう。

■ 脚注解説:より深い理解のために
*20 インフレ:物価が継続的に上昇し通貨価値が下落する現象。適度な上昇は企業の売上増や経済活性化を促すが、急激な進行は購買力を低下させる。
*21 テクニカル:過去の株価や出来高の推移から将来の動向を予測する分析手法。移動平均線等の指標を用い、心理的な節目や売買の転換点を判断する。

インフレ経済への構造転換と名目GDP成長の重要性

これからの日本市場を考える上で最も重要なのは、デフレ*22からの完全脱却です。売り上げが名目ベースで増えていくインフレ経済では、株価もそれに応じて上昇しやすくなります。これを名目GDP*23の拡大と呼びます。

円高になっても、企業がしっかりとコストを管理し、価値のある製品を適切な価格で販売できていれば、株価は長期的には右肩上がりを維持できるはずです。「円高だからダメだ」という古い常識にとらわれず、インフレ環境下で成長できる企業を探すことが投資の醍醐味になるでしょう。

■ 脚注解説:より深い理解のために
*22 デフレ:物価が継続的に下落する現象。消費の先送りや企業利益の圧縮による景気後退を招き、長期的な経済停滞を引き起こすリスクが高い状態。
*23 名目GDP:物価変動の影響を含んだ国内総生産。経済規模の実数を示し、企業の売上成長や税収、株式市場の長期的な規模拡大と密接に連動する。

よくある質問(FAQ)

円高になると必ず日本の株価は下がるのでしょうか?
必ずしもそうとは限りません。確かにトヨタ自動車などの「輸出企業」は利益が減るため株価が下がりやすいですが、逆にニトリや電力・ガス会社のような「輸入企業」は仕入れコストが下がるため、円高が業績アップの追い風になります。また、最近の日本企業は海外での現地生産を進めているため、昔ほど為替の影響を受けにくくなっている側面もあります。市場全体が円高=株安と反応して一時的に下がった時は、こうした「円高メリット銘柄」を探すチャンスとも言えます。
円高局面で個人投資家が注目すべき具体的な業界や銘柄の特徴は?
「内需株(ないじゅかぶ)」と呼ばれる、日本国内を主戦場にしている業界が注目されます。具体的には、小麦や原油を輸入して国内で販売する「食品」「電力・ガス」「空運(燃油コスト減)」、海外から商品を仕入れる「百円ショップ」や「家具小売」などです。また、円高で日本人の海外旅行需要が復活するため、海外旅行を扱う「旅行代理店」などもメリットを受けやすい業種です。投資判断の際は、その企業が売上の何割を海外で稼いているか(海外売上高比率)をチェックしてみてください。
新NISAで米国株(S&P500など)に投資していますが、円高で資産が減ってしまいました。売るべきですか?
長期的な資産形成を目的としているのであれば、慌てて売る必要はありません。円高によって資産価値が目減りするのはあくまで「円に換算した時」の評価上の話です。NISAの積み立て(ドル・コスト平均法)を続けていれば、円高の時期はむしろ「同じ円の金額で、より多くのドル資産(株)を安く買えている」状態になります。将来再び円安に戻った時や、米国株自体が成長した時に、この安く仕込んだ分が大きな利益を生みます。「円高は安売りのバーゲンセール」とポジティブに捉えて継続することが成功の秘訣です。
円高になると燃油サーチャージや海外旅行の費用はすぐに安くなりますか?
円高になれば長期的には安くなりますが、即座に反映されるわけではありません。燃油サーチャージは通常、過去2ヶ月間の「原油価格」と「為替レート」の平均に基づいて2ヶ月ごとに改定されます。そのため、円高が進んでから航空運賃に反映されるまでには、約2〜4ヶ月程度のタイムラグが生じるのが一般的です。海外旅行を計画される際は、為替の動きから数ヶ月遅れてコストが下がることを念頭に置くと良いでしょう。
米国株投資信託の「為替ヘッジあり」と「なし」、結局どちらが良いのでしょうか?
一概にどちらが良いとは言えませんが、判断の基準はあります。「ヘッジなし」は円安の恩恵をフルに受けられるため、円の価値低下に備えたい方(通貨分散)に向いています。一方「ヘッジあり」は円高での目減りを防げますが、日米の金利差に応じた「ヘッジコスト」を常に支払う必要があります。2025年現在のように日米金利差が大きい時期は、コストだけで年間数%取られることもあるため、長期投資では「ヘッジなし」を選び、為替の波を時間分散でこなす方が一般的です。

将来的に円高で株価はどうなるか予測と対策のまとめ

多角的に見ること、自分を知ること、本質を見抜くことの3点を、天秤や虫眼鏡のアイコンで示した投資マインドのまとめ。

さて、ここまで円高で株価はどうなるのかというテーマで、様々な角度から見てきました。結論として言えるのは、為替の変動は短期的には大きな波乱を呼びますが、私たちの資産形成のゴールを変えるものではないということです。

💡 POINT

この記事の振り返り

  • 円高は輸出企業には逆風だが、輸入企業や家計にはプラスの側面がある。
  • 為替ヘッジやNISAの積み立てなど、自分に合ったリスク管理法を知る。
  • 短期的なニュースに一喜一憂せず、企業の稼ぐ力(ファンダメンタルズ*24)に注目する。

為替や株価の動きには100%の正解はありません。実際の投資にあたっては証券会社のレポートを確認したり、必要に応じてファイナンシャルプランナー*25などの専門家にご相談ください。一緒に賢い投資家を目指していきましょう。

■ 脚注解説:より深い理解のために
*24 ファンダメンタルズ:経済や企業の基礎的条件を示す指標。経済成長率や業績、財務状況を指し、株価が本来収束すべき本質的な価値を決定する。
*25 ファイナンシャルプランナー:資産設計の専門家。家計の収支や将来計画に基づき、投資、保険、税制などの多角的な視点から最適な助言を行う。

(最終的な投資判断はご自身の責任で行っていただきますようお願い申し上げます。)

CONCLUSION■ 事実の輪郭を振り返る
  • 円高は輸出企業の利益を減らし国内株安の要因となる。
  • トランプショック等の不確実性は急激な円高を招く。
  • 輸入企業や内需株は円高によるコスト低下が利益に。
  • 海外旅行や燃油価格は円高局面でコストが低下する。
  • 日米金利差の縮小は円安トレンドを反転させる鍵。
  • NISA等の積立投資では円高は安く買える好機。
  • インフレ経済下では名目GDPの成長が株価を支える。
  • 短期的な変動に惑わされず企業の稼ぐ力に注目する。
【免責事項】本記事は一般的な経済情報の提供を目的としており、特定の銘柄への投資を勧誘するものではありません。情報の正確性には万全を期しておりますが、投資の最終判断は自己責任でお願いいたします。

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